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「本人確認の静脈センサー等の機器について」

株式会社アイ・ディ・テクニカ
取締役営業本部長 高木 聖和氏
 

 本日は、静脈認証のお話とセキュリティについての現状等について、わかりやすいお話をさせていただきたいと思います。

 最初に、アイ・ディ・テクニカは何をやっている会社かと申しますと、ITベンチャーのカテゴリーですが、昨今、ITベンチャーはいろいろな問題を持っているというイメージがあると思いますが、私どもはメーカーのITベンチャーで、自分たちで物をつくって売っているベンチャーです。

 当社の事業は3つに分かれています。
 1つ目は、人間の持っているDNAの情報をデジタル化し、暗号化し、それをインクや樹脂、繊維に混ぜて、究極の真贋判定をするというもの。
 2つ目は、人間の持っている脈波とか、人間が発するバイタルデータで医療用のIT機器をつくるというもの。
 3つ目が、人間が持っている静脈パターンを個人の認証に使うというもの。

 その中で、きょうは静脈認証装置についてお話させていただきます。

バイオメトリクスの特長
 バイオメトリクスというのは人間だれでもが持っている固有の情報です。普遍性(だれでもが持っている)、唯一性(個人特有の情報)、永続性(生ある限り)がある。これはDNAであり、静脈認証であります。

 今までの認証の方式とバイオメトリクス認証との違いですが、パスワードでパソコンを管理するというのは日常の風景になっていますが、最近では、内部からの情報漏洩を防ぐという意味では、パスワードは脆弱なものになりつつあります。
 次に、ICカードを本人が持っている方法ですが、これは低価格化が進んでもメンテナンスコストが発生するし、盗難・紛失・破壊・偽造等の可能性があります。

 パスワードやICカードは、セキュリティとしては有効ですが、しょせん人間本人を認証しているのではなくて、カードの情報を認証するという脆弱さがある。

 これに対して、バイオメトリクスの認証は、指紋であれ、虹彩であれ、静脈であれ、本人の身体的または行動的特長をキーにして認証をするのですが、導入コストはまだ高く、一般のユーザーまでには普及はしていません。

 きょうご紹介する私どもの静脈認証は、指認証ですが、指の中を通っている静脈の分岐点のパターンを読み取るものです。指紋などは簡単に写し取ることができますが、指の中の静脈の情報ですから偽造は困難です。

静脈認証の特長について
 静脈認証の中でどういったカテゴライズがあるかと申しますと、指紋などはデバイスが安くなっており、もう1万円を切っています。携帯電話の中に入れるものには数百円のレベルまで下がってきており、基本的には携帯電話とかパソコンといったパーソナルユースでの使い方が一般的になってきています。
 業界の見方としては、ビジネスユースとしては指紋から、静脈・虹彩・顔認証のコストが下がってくると優劣が出てくるだろうという意見です。

 しかしながら静脈、顔、虹彩はまだコストが非常に高い。大体、ソフト込みで1ゲートをつくるのに100万円前後はかかる。非常にコストが高く、一般の従業員の出入りには使えず、サーバールームの出入りとか、研究棟とか、病院の劇薬庫とか、国を守る機関とか、外交問題を取り扱うところといった特定の部署とか、限られた範囲内での利用です。

 東京三菱銀行に手のひら静脈の認証システムが入っています。導入した当初は、ある程度慣れが必要なものですから後ろに列ができたりしましたが、最近は安定してきており、我々も静脈認証の宣伝になると喜んでみていました。その次に、三井住友銀行が、私どもと同じカテゴリーの指静脈による認証を採用し、みずほ銀行と日本郵政公社も同じカテゴリーの商品を採用するようです。

 これまで銀行は、つなげてつなげてというやり方で、どこでも、どの銀行でも、お金がおろせます、ということに注力してきましたが、これからは、かなり普通預金の口座残高が大きい優良なお客様を、自分たちの静脈認証の方式によって囲い込む戦略がそこで透けてみえるわけです。
 ここ3年くらいの間には、静脈による本人認証が日常の風景になってくるでしょう。

静脈パターンの登録・認証(Scanning )
 これは基本的には「掌を太陽に」ということです。静脈によってある特定の個人を認証するというのは、公知の事実と言って、太陽が東から登って西に沈むというのと同じくらいで、ここにパテントの発生する余地はありません。近赤外線を上から当てて下で写真を撮ってデータとして持つ。富士通さんのように、下から当てて反射したデータをデータベースに取って照合する方法もあり、多少方式が異なっても、近赤外線で写真を撮って、それをデータベース化して本人を認証するというのが基本的な構造です。

生体反応による作動スイッチ(Live Switch)
 ある大手の静脈認証装置の会社が、ダイコンで登録してダイコンで認証ができてしまったというので、我々の業界で一時期騒ぎになったことがありました。
 どうしてかというと、近赤外線を当ててカメラで撮るわけですが、カメラのスイッチが物理的なもので、ダイコンでスイッチを押そうが何で押そうが、カチッとスイッチが入ると登録する。そして、同じものが入ってくれば認証がかかるという現象です。
 自分の会社を宣伝するつもりではありませんが、私どもの機械は生体検知機能をつけており、生きている人間が発する微弱な静電気を検知してスイッチが自動的に入るような方式をとっています。物理的なカチッというスィッチが入ってもオンにはなりません。さらに次のバージョンからは、ドキンドキンといっている人間の脈波を検知してカメラがオンになる方式になるので、そういった懸念はないところまで進んでいます。

静脈認証装置の導入メリット
 静脈認証装置の導入メリットは、キーは指ですから鍵を携帯する必要がない。あらかじめ登録した人間しか認証しませんから、他人にIDを知られても静脈データが一致しなければ認証されない。
 静脈は、バイオメトリクスの中で唯一外部から見えない生体情報です。顔とか指紋は外部から見えますが、これは内部情報ですから偽造がより困難です。横浜国立大学にはバイオメトリクス破りの研究室があって、顔や虹彩についてもいろいろな実験をしている先生がおられるので、私どもも脈波センサーができ上がればご提供したいと考えています。

 以上、バイオメトリクスによる認証と、その中の静脈認証の特長的な部分をお話し申し上げました。

BPAログオン認証システム
 次に、BPAログオン認証システムについてですが、今、企業として気をつけなければならないのは、個人情報保護法が施行されて、個人情報の過度な取り扱い旋風が巻き起こっています。今は少し落ち着いていますが、内部情報の管理について各企業非常に気にしています。皆様方の企業においても、いろいろな個人情報を取り扱っていると思います。

ログオン・解除・ログ管理
 このログオン認証装置というのは、サーバーとか大事な情報にアクセスする権限を、現在はパスワードとかカード等で行っていますが、これを指の静脈パターンでOKになった人しかサーバーへアクセスできない。またアクセスすると、どういう情報に何日の何時何分何秒にログインし、何時何分何秒にログアウトしたのか、そのログが残るというのがログオンシステムです。

 1つ目が、静脈によるサーバーへのアクセスの権限の管理です。朝、会社に行ってパソコンを立ち上げると、「指静脈を照合する」画面になって、そこに指を入れて照合すると、自分の管理する画面が立ち上がります。
 2つ目は、自分が管理しているファイルとかエクセル、ワードといったデータが、右クリックすると、自分のファイルを自分の指静脈をキーにして暗号化するということです。
 3つ目は、そのファイルをもう一度開くときにも、また右クリックして自分の指を入れるとフォルダーが解除されて見ることができる。
 こういったことによって、内部におけるセキュリティのレベルを上げていくのがログオンの管理システムです。

重要な企業のセキュリティーポリシー
 バイオメトリクスについては、大きく分けてゾーンの管理――入退出の管理と、内部情報にアクセスする権限の2つに分かれます。多少方式は異なりますが、各社ほぼ同様のものを装備して出しておりますが、幾らドアを静脈で管理するといっても、バールでこじ開けられたり、ブルドーザーで入って行かれるのまでは防ぐことはできません。

 何が重要かというと、最終的にはその企業のセキュリティーポリシーであるとか、企業文化に根ざしたセキュリティに対する意識と、それを守るのだという強固な意思を企業として持つことが重要です。私どももこれですべて解決するとは考えておりません。こうしたものを内部に装備することによって、従業員に対しても、外の人間に対しても、それが抑止力になる。抑止力をいかに高いレベルに保つかがセキュリティのキーポイントになると考えております。

一家に一台、夢の健康診断機器の出現も
 現在、薬事法に申請中ですが、私どもでは指を1本置くと8秒で血圧と脈拍が測れ、血液サラサラ度、ドロドロ度と、成人病とか生活習慣病のコンディションが測れるという機器を開発しました。
 この機能と静脈認証装置を合わせて、朝起きて指を入れていただくと、本人の生存確認ができて、脈波とか血圧とか生活習慣病のコンディションがわかると、医療過疎の地域ですと、行政なんかが一家に一台置くと、ASPとかLANでそれが地域の病院に飛んで行き、その人の日々の生存確認と体のコンディションをみることができる。
 心筋梗塞になりそうな脈波とか、脳梗塞になりそうな脈波とかには特徴があり、これは既にデータベース化されています。これを見ることによって、医療過疎などでは優先順位をつけて診ることもできます。こうした静脈認証と血圧計とをクロスさせた商品を今つくっているところです。

 さらに今秋、この機能に血液を取らずに血糖値を測る機能を付加することを予定しています。薬事法を取ってからの発売になるため年内に発売できるかどうかわかりませんが、開発は終わっております。そうすると指静脈で本人を認証して、血糖値が測れ、心筋梗塞・脳梗塞・脳卒中のコンディションがわかり、血圧がわかるような機器の出現が現実になってまいります。さらに来春にはオペラグラス型の絶対値が測れる血糖値計を出す予定でおりますが、これからは静脈認証で本人を確認した上で、いろいろな分野で応用されていくことと思います。

最後に
 私どもはユニークな技術を持っていますが、そのほかのことの知識については勉強途上の会社でございます。いろいろとご指導くださいますよう、また機会があれば、ともに別のビジネスを興すご提案など賜れれば、こんなにうれしいことはございません。この場をかりてお願い申し上げます。
 ありがとうございました。(拍手)

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